完成させる文章
1\(x=2\) からの距離を \(t=|x-2|\) とおく。
2\(t≦1\) のとき
\[ |x-1|+|x-3|=2 \]
よって
\[ 2 ≦ t + \dfrac{3}{2} \]
すなわち \(t≧ \dfrac{1}{2}\)
3\(t>1\) のとき
\[ |x-1|+|x-3|=2t \]
よって
\[ 2t ≦ t + \dfrac{3}{2} \]
すなわち \(t≦ \dfrac{3}{2}\)
4よって、範囲をまとめると
\[ \dfrac{1}{2} ≦ t ≦ \dfrac{3}{2} \]
となることから
5\[ \dfrac{1}{2}≦ |x-2|≦ \dfrac{3}{2} \]
を解くと
答え:\(\dfrac{1}{2} ≦ x ≦ \dfrac{3}{2}\) または \(\dfrac{5}{2} ≦ x ≦ \dfrac{7}{2}\)
この問題では、絶対値が3つ以上出てくるため、絶対値が1つや2つの問題と同じように計算しようとすると、場合分けが複雑になります。この問題では、複雑な場合分けを避けるために、以下のような考え方をします。では、まず「絶対値は何を表しているか」からおさらいしましょう。
<① 絶対値は「距離」を表す>
まず知識の確認ですが、\(|x-1|\) は \(x\) と \(1\) の距離、\(|x-3|\) は \(x\) と \(3\) の距離を表しています。したがって、\(|x-1|+|x-3|\) は「\(x\) から \(1\) までの距離」と「\(x\) から \(3\) までの距離」の合計です。
次に、この距離の合計がどれくらい小さくなれるかを考えます。数直線上で、\(1\) と \(3\) の間の距離は \(3-1 = 2\) です。
\(x\) を \(1\) と \(3\) の間に置くと、
\(1 \;\text{—}\; x \;\text{—}\; 3\)
になるため、距離の合計はちょうど \(2\) になります。
一方、\(x\) を \(1\) と \(3\) の外に置くと、
\[ x \;\text{—}\; 1 \;\text{—}\; 3 \quad \text{または} \quad 1 \;\text{—}\; 3 \;\text{—}\; x \]
のようになり、距離の合計は \(2\) より大きくなります。
<② 具体例で確認する>
実際に数を入れて確かめてみます。\(x\) が \(1\) と \(3\) の間にあるときを試してみましょう。
- \(x=2\) のとき \(|2-1|=1\) , \(|2-3|=1\) より、距離の合計は \(2\)
- \(x=2.5\) のとき \(|2.5-1|=1.5\) , \(|2.5-3|=0.5\) より、距離の合計は \(2\)
次に、\(x\) が \(1\) と \(3\) の外にあるときを試してみましょう。
- \(x=3.5\) のとき \(|3.5-1|=2.5\) , \(|3.5-3|=0.5\) より、距離の合計は \(3\)
- \(x=4\) のとき \(|4-1|=3\) , \(|4-3|=1\) より、距離の合計は \(4\)
- \(x=7\) のとき \(|7-1|=6\) , \(|7-3|=4\) より、距離の合計は \(10\)
このように、\(x\) が \(1\) と \(3\) の間にいるときは距離の合計が \(2\) で固定され、\(1\) と \(3\) の外に出ると距離の合計が \(2\) より大きくなることが分かります。
<③ 真ん中の「2」に注目する>
\(1\) と \(3\) のちょうど真ん中(中点)は \(2\) です。ここで、\(x\) が \(1\) と \(3\) の外にいるときの距離の合計と、\(x\) と \(2\) の距離に着目しましょう。
- \(x=3.5\) のとき \(|3.5-1|=2.5\) , \(|3.5-3|=0.5\) より、距離の合計は \(3\)
このとき、2との距離は \(|x-2|=|3.5-2|=1.5\) - \(x=4\) のとき \(|4-1|=3\) , \(|4-3|=1\) より、距離の合計は \(4\)
このとき、2との距離は \(|x-2|=|4-2|=2\) - \(x=7\) のとき \(|7-1|=6\) , \(|7-3|=4\) より、距離の合計は \(10\)
このとき、2との距離は \(|x-2|=|7-2|=5\)
すると、\(x\) が \(1\) と \(3\) の外にいるときの距離の合計は、\(x\) と \(2\) との距離 \(|x-2|\) の2倍になるという法則が見えます。
ここで、\(x\) と \(2\) の距離 \(|x-2|\) を \(t=|x-2|\) とおきます。\(t\) は距離なので、必ず \(0\) 以上です。
すると、次のように整理できます。
- \(1≦x≦3\) のとき(つまり \(t≦1\) のとき)
\(|x-1|+|x-3|=2\) - \(x<1\) または \(x>3\) のとき(つまり \(t>1\) のとき)
\(|x-1|+|x-3|=2|x-2|=2t\)
<④ 不等式を \(t\) を使って簡単にする>
もとの不等式は \(|x-1|+|x-3| ≦ |x-2|+\dfrac{3}{2}\) と複雑です。これを \(t\) を使って簡単にします。
(A) \(1≦ x≦ 3\) のとき(\(t≦ 1\) のとき)
左辺は \(2\) なので、
\[ 2 ≦ t+\dfrac{3}{2} \]
両辺から \(\dfrac{3}{2}\) を引くと、\(t≧ \dfrac{1}{2}\)
よって、この場合は
\[ \dfrac{1}{2}≦ t≦ 1 \quad \cdots\; ❶ \]
(B) \(x<1\) または \(x>3\) のとき(\(t>1\) のとき)
左辺は \(2t\) なので、
\[ 2t ≦ t+\dfrac{3}{2} \]
両辺から \(t\) を引くと、\(t≦ \dfrac{3}{2}\)
よって、この場合は
\[ 1≦ t≦ \dfrac{3}{2} \quad \cdots\; ❷ \]
<⑤ まとめて \(t\) を \(x\) に戻す>
❶と❷をまとめると、
\[ \dfrac{1}{2}≦ t≦ \dfrac{3}{2} \quad\Rightarrow\quad \dfrac{1}{2}≦ |x-2|≦ \dfrac{3}{2} \]
これは、「\(x\) と \(2\) の距離が \(\dfrac{1}{2}\) 以上、\(\dfrac{3}{2}\) 以内」という意味です。数直線で考えると、
したがって、求める \(x\) の範囲は
\[ \dfrac{1}{2}≦ x≦ \dfrac{3}{2} \quad \text{または} \quad \dfrac{5}{2}≦ x≦ \dfrac{7}{2} \]
答え:\(\dfrac{1}{2} ≦ x ≦ \dfrac{3}{2}\) または \(\dfrac{5}{2} ≦ x ≦ \dfrac{7}{2}\)
