\(|x-1|\) は点 \(x\) と \(1\) との距離、\(|x-3|\) は点 \(x\) と \(3\) との距離を表す。したがって,\(|x-1| + |x-3|\) は点 \(x\) から \(1\) と \(3\) までの距離の和である。
数直線上で,\(x\) が \(1\) と \(3\) の間にあるとき,\(1 ─ x ─ 3\) となり,距離の和は \((x-1)+(3-x)=2\) となる。これが距離の和の最小値である。
よって,\(|x-1| + |x-3|\) ≦ \(k\) が解をもつためには,\(k≧ 2\) が必要である。
\(k≧ 2\) のとき,\(x=1,2,3\) の3つの解が不等式を満たす。一方,\(x=0\) のとき,\(|0-1|+|0-3|=4\),\(x=4\) のとき,\(|4-1|+|4-3|=4\) となる。
したがって,整数解が \(1,2,3\) の3個だけとなるためには,\(4≦ k\) となってはならない。
以上より,整数 \(x\) の解がちょうど3個存在するのは,\(2≦ k<4\) のときである。
答え:\(2 ≦ k < 4\)
この問題は、\(k\) の値を変えることで、条件を満たす整数 \(x\) の個数がどのように変わるかを考え、その個数がちょうど 3 個になるような \(k\) の範囲を求める問いです。
以下の手順で考えるとわかりやすいです。
- Step1 解が存在するための条件を知る
→問題文は、解が3つ存在する条件を聞いてきているので、まずはそもそも解が存在するための最低条件を調べます - Step2 解が3個になる条件を見つける
→解が存在する最低条件を見つけたら、さらにその中でも解が3つになる条件を探していきます - Step3 見つけた条件が正しいか確認する
→解が3つになる条件が見つかったら、本当にその条件で間違いないかを最終確認します
では、一つひとつ見ていきましょう。
<Step1 解が存在するための条件を知る>
まず知識の確認ですが、\(|x-1|\) は \(x\) と \(1\) の距離、\(|x-3|\) は \(x\) と \(3\) の距離を表しています。したがって、\(|x-1|+|x-3|\) は「\(x\) から \(1\) までの距離」と「\(x\) から \(3\) までの距離」の合計です。
次に、この距離の合計がどれくらい小さくなれるかを考えます。数直線上で、\(1\) と \(3\) の間の距離は \(3-1 = 2\) です。
\(x\) を \(1\) と \(3\) の間に置くと、
\(1 \;\text{─}\; x \;\text{─}\; 3\)
になるため、距離の合計はちょうど \(2\) になります。
一方、\(x\) を \(1\) と \(3\) の外に置くと、
\(x\) が \(1\) より左にある場合
\(x \;\text{─}\; 1 \;\text{─}\; 3 \)
\(x\) が \(3\) より右にある場合
\(1 \;\text{─}\; 3 \;\text{─}\; x\)
のようになり、距離の合計は \(2\) より大きくなります。つまり、そもそも解が存在するためには、\(k\) が \(2\) 以上でなければならないということです。
<Step2 解が3個になる条件を見つける>
Step1で、\(k\) が \(2\) 以上なら解が存在することがわかりました。ここからは、解が3個である条件を見つけていきます。
たとえば、\(k=2\) のときを考えましょう。
\(k=2\) のとき、元の不等式は
となります。つまり、「\(x\) から \(1\) までの距離」と「\(x\) から \(3\) までの距離」の合計が \(2\) 以下であるということ。
\(1 ─ x ─ 3\) のように、\(x\) が \(1\) と \(3\) の間にあるときは距離が必ず \(2\) になるので、この「\(2\) 以下」を満たします。つまり、\(k=2\) を満たす整数 \(x\) の個数は、\(x=1, x=2, x=3\) の3つです。
一方で、\(2<k\) を考えましょう。\(2<k\) のとき、元の不等式は
つまり「\(x\) から \(1\) までの距離」と「\(x\) から \(3\) までの距離」の合計は、いちばん小さくて \(2\) であり、さらに \(k\) を \(2\) より大きくすると、その合計が \(2\) より大きい場合でも条件を満たすようになる、ということ。これは、\(1 ─ x ─ 3\) のように、\(x\) が \(1\) と \(3\) の間にあるときと、\(x ─ 1 ─ 3\) や \(1 ─ 3 ─ x\) のように、\(x\) が \(1\) と \(3\) の外にあるときの両方を示しています。つまり、\(x=1, x=2, x=3\) に加えて、\(x=\dots,-3,-2,-1\) や \(x=4,5,6,\dots\) も解になりうるということです。
しかし、解の個数は3個でないといけないため、\(x=1,2,3\) 以外は解にならないように \(k\) の範囲を制限しなければなりません。
<Step3 見つけた条件が正しいか確認する>
Step2にて、\(x=1,2,3\) 以外は解にならないように \(k\) の範囲を制限しなければならない、という条件を見つけました。では、ここではその条件を検証していきましょう。
\(k\) の値は、数直線上で考えると、\(x\) が \(1\) から負の方向に離れるにつれて、あるいは \(x\) が \(3\) から正の方向に離れるにつれて大きくなるため、\(2\) 以外で一番小さな \(k\) を見つけるための最も簡単な方法は、\(x=0\) あるいは \(x=4\) を代入してみることです。なぜなら \(1\) と \(3\) のすぐ外にある整数が、\(0\) と \(4\) だからです。
まずは \(x=0\) を代入してみると
よって \(0\) が解に入るのは \(k≧ 4\) のとき。したがって \(0\) を入れないためには \(k<4\) が必要です。
次に \(x=4\) を代入してみると
よって \(4\) が解に入るのは \(k≧ 4\) のとき。したがって \(4\) を入れないためには \(k<4\) が必要です。
つまり、解が \(x=1,2,3\) の3個だけであるためには、
でないといけないということです。
答え:\(2 ≦ k < 4\)
